ペナン島ロングステイで経験したこと、感じたこと
投稿者:kodo
ペナン島でロングステイを始めて2ヶ月が過ぎました。家族は妻と愛犬(ポメラニアン)1頭です。初めは戸惑うことばかりでしたが、ようやく生活も落ち着いてきたところです。この投稿では、この期間に経験したこと、そしてその中で感じたことをお話します。
その前に私が海外ロングステイを始めるに至った動機と居住地をペナン島とした理由について簡単に紹介します。海外でのロングステイを決断したのは、日本の財政が未曾有の危機的状況にある中で少子・超高齢社会を迎え、今の社会保障制度はいずれ破綻するおそれがある、これまでのライフスタイルにとらわれず全く新しいことにチャレンジしてみたいというのが主な理由です。
また、ペナン島に住もうと決めたのは、日本語の話せるスタッフが常駐する病院があるなど社会資本が整備されている、治安がよい、それでいて物価は全般的に日本よりかなり低い水準であるといったことが主な理由です。ただし、物価についてはマレーシア経済が今後も引き続き成長することが予想され、それに比例して物価も上昇するため、将来的な課題としてペンディングです。
前置きはこれぐらいにして、表題にあるとおりセカンドホーマーとしてペナン島で生活する中で経験したこと、感じたことを幾つか紹介します。
■ 愛犬の輸送と住居探し
私達は愛犬を連れてきましたから、その輸出入の手続きについて紹介します。
犬を輸出する場合、輸出する3ヶ月前に狂犬病予防注射を2回接種し、さらに犬ジステンパーなどを予防する5種混合の予防注射をしなければなりません。その後、犬にICチップを埋め込んでID登録をし、ICチップを埋め込んだという証明書をもらいます。
また、動物病院を通じて血液サンプルを畜産生物科学安全研究所という公的機関に送り、同研究所から狂犬病抗体検査証明書をもらいます。最後に輸出日の1ヶ月前に動物病院で健康証明書を作成してもらいます。こうした必要書類を全て準備してから、出国に際し利用する空港(私の場合は関西空港)の動物検疫所に輸出を申請します。
なお、申請書の作成に当たっては、事前に動物検疫所に必要書類のコピーを送付して検疫所の指示に従い、出国当日に誤りのない申請書等を提出できるようにしておくことをお奨めします。
一方、マレーシアに輸入する手続きですが、これは個人でマレーシア政府と交渉し、輸入許可証を取得するのは困難だと思います。海外宅配便業務を専門に扱っている業者に委託するのが賢明です。その理由は、犬を輸出するときは予め搭乗する航空便を決めた後、犬種、大きさなどを航空会社に連絡して貨物室に専用のスペースを確保してもらわなければならないこと、マレーシア政府から発行される輸入許可証の有効期限が1ヶ月と短かく、レターの往復に伴いトラブルが発生すると対応できないおそれがあるからです。
次に住まい探しですが、犬を連れて行くと基本的にコンドミニアムには住めない、イスラム教徒が多く住む地域は避けるほうがよいといった制約がありました。また、犬の輸出申請書には輸出先住所を記載しなければならなかったので、申請する前に住まいを決めておく必要がありました。
困難な条件でしたが、幸いなことに4月はじめにビザの申請手続きのためペナン島を訪れた折、ペナン島在住の親切な日本人女性を知る機会があり、結果的にはこの女性のお世話で住まい探しがクリアーできました。この女性にはその後も色々とお世話になり、今では我々のロングステイのナビゲータのような存在です。
国は違っても人との出会いは大切だと実感しました。因みに犬はビザ取得前でも輸入可能です。
■ MMSPビザ取得のためクアラルンプールへ
ビザ取得のため、私達はエージェントとともにペナンを深夜0時発のバスに乗りクアラルンプール(KL)へと向かいました。KLには早朝5時30分に到着。その間、座席は飛行機のビジネスクラス並のゆったりとしたスペースが確保され快適な空間の中でゆっくり寝ることができるはずでした。
ところがです。まったく寝ることができません。理由は冷房です。長袖のセーターを着込んでいたのですが、1枚では寒さは凌げませんでした。真冬に下着1枚で屋外にいるような寒さです。ところが運転手はといえば、これがなんとジャンパーを着ているではないか。「なにを考えてるんや。アホか。温度を上げてくれ」と、少々下品な表現ですがこれぐらいの文句を言ってやりたかった。
さて、この旅行での苦い経験はこれで終わりではありません。次はイミグレーションでの出来事です。午前6時30分頃にイミグレーションに到着。待つこと1時間弱。ようやくドアが開く。3階まで駆け上がり1番の整理券をゲット。順調、順調。そして午前8時、業務開始です。おや、担当官が来ない。30分、1時間経過しても来ない。隣の係官に理由を尋ねると「Come soon」と繰り返すばかり。その言葉を何回も聞くと、ん? 最近この言葉よく聞いたような。おおそうだ。日本で話題になっている「カムスン」、いや「コムスン」だった。それからは隣の係官の「Come soon」が私には空しく聞こえておりました。
結局、担当官がデスクに着いたのは業務開始から1時間30分後で、パスポートにビザのシールを貼付してもらって手続きが終了したのが午前11時頃でした。最後に一緒に来たエージェント曰く。「今日は早かったですね。この前は2時半までかかりました。 早く終わってよかったですね。」。私は返事できずに変に納得していました。マレー時間の洗礼を十分体験した1日でありました。
■ その他に感じたこと
一つは交通マナーでしょうか。もうびっくりです。日本であれば殴り合いの喧嘩となるような運転が日常茶飯事。割り込み、駐車、車線変更、オーバーラン、逆行など凡そ日本人の常識からするとまさに傍若無人という言葉がぴったりの運転です。ところがです。
最近、この傍若無人で無秩序な交通マナーにも一定のルールがあることに気づきました。例えば、割り込みです。 方向指示器を点滅すればほとんどの車は譲ってくれるんですね。車線変更もこの方法だと日本よりずっと楽です。う~ん、人の機微に関わるものは複雑なものです。
もう一つは、ここはアジアで日本人はまぎれもなくアジアの一員であることを実感しました。周りを見渡すと同じ肌の色、姿形の人が多い。食事に行くと決まって中国語で話してくる。親近感を覚えますよね。欧米よりずっと生活しやすいかもしれません。
わずか2ヶ月ですが、外国で暮らすということは柔軟にしなやかにその国の風土や文化などに順応することが大切だということ、そうした中にあっても日本人としてのアイデンティティもしっかりと持ち続けていくことが大切なことだと学んだように思います。
(投稿時 2007年7月)

