終身旅行者(PT)とは
海外ロングステイにご興味のある方なら、すでにこの言葉は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。PTとはPermanent Traveler(パーマネント・トラベラー)あるいは、Perpetual Traveler(パーペチュアル・トラベラー)と呼ばれ、どちらも永遠のトラベラーの意味です。ですから終身旅行者と訳されます。
単に旅行が好きで、永遠に海外旅行をしているイメージですが、そうとも限りません。実はもともとはヨーロッパの富裕層の合法的な税金対策の一手段なのです。

簡単に言うと、年間に複数国に滞在しどの国の居住者にもならない為、どの国にも納税義務が生じないことになります。 実際は、①国籍を持つ国、②ビジネスをする国、③居宅を持つ国、④資産運用をする国、⑤余暇を過ごす国、をうまく組み合わせて最も効果的な、タックスプランニング、およびライフプランニングをするようです。(「5フラッグ理論」と呼ぶ)
通常の日本人の場合は、そこまで厳密に追求するのは非現実と思われますが、それでも十分現実的なスキームは考えられます。
原則論では、日本の滞在を年間183日以下に押さえ残りを他国に滞在すれば、日本の非居住者となり海外所得に対して日本の納税義務を逃れられます。 また国内源泉所得も所得区分によりますが、10-20%の低率の源泉課税となることがあります。
例えば、41歳のサラリーマンが香港の金融機関で10万ドル資金をファンドで運用し、運よく年10%の利回りで61歳の退職の翌年に運用を終了したとします。ちなみ海外には年率15%程度で運用されているファンドがごろごろあるので、決して大げさな数字ではありません。
10万ドルが約67万ドルになっているので57万ドル(約6,000万円)が課税対象となり、その時に日本の居住者であれば、20%(1200万円程度)が納税額となります。(総合課税と判定されると更に高額となる。)
しかし仮にその年に日本の非居住者となりマレーシア、シンガポールのように居住者となっても他国での所得が非課税の国に滞在していれば、6000万円が丸取りとなり1200万円得することになります。しかもこれはその年だけ日本の非居住者であればいいので、翌年居住者になったからといって、それに対し課税義務が生じるわけではありません。別に永住する必要はないのです。マレーシアであれば6000万円は何年分の生活費になるでしょうか?
ちょっと前ならこんな話をしても、節税のために1年でも日本の非居住者になるなんて非現実的と思われたはずです。今はどうでしょうか?1年と言わず数年でも、節税とレジャーを兼ねて海外でのんびりするなんて、ごく当たり前のライフスタイルといえるでしょう。むしろ理想的なハッピーリタイア・プランではないでしょうか?
この他にも色々な「PT節税」が考えられますので、節税すべき所得の発生する予定のある方は、是非検討してみてください。それから上記の記述はあくまで原則を書いたものに過ぎませんので、具体的な案件は税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。筆者もファイナンシャルプランナーとしての「タックスプランニング」の範囲内であればご相談に応じます。
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