タイ 経済金融情報
通貨
バーツ(THB)
為替レート
経済成長率
4.8%(2007年)
物価上昇率
2.3%(2007年)
失業率
1.5%(2006年)
経済概況
1997年のタイバーツ暴落にともなう経済危機をIMFなどで支援で乗り切り経済回復をはかる。
2001年発足したタクシン政権は、従来の輸出主導に加えて国内需要も経済の牽引力とすることを訴えた。これらの内需拡大政策の奏功と見られる個人消費の活性化等により、経済は回復し、2003年は6.9%、2004年は6.1%の成長を達成した。
2005年は津波の被害、干魃の影響、石油価格の高騰等により若干減速し、4.5%の成長。
上記統計データおよびコメントは外務省HP各国・地域情勢より一部抜粋
税制
法人税のほか、個人所得税(0〜37%の累進課税)、付加価値税(7%)、特定事業税(0.1〜3.0%)、海外送金に対する源泉徴収、物品税、土地家屋税・地方開発税、印紙税、輸出入関税などがある。
I.国税
(1)法人税
(2)個人所得税
(3)付加価値税
(4)特定事業税
(5)印紙税
(6)物品税
(7)輸出入関税
II.地方税
(1)土地家屋税
(2)地方開発税
細(3)看板税
その他税制
(1) 個人所得税
タイで働いて得た給料には原則としてタイの個人所得税が課される。確定申告は年1回、3月末であり、会社は所定の額を天引きし、毎月支払わなければならない。
課税対象所得の範囲は、居住者(1 歴年中、通算180 日以上タイに滞在する者)の場合で国内源泉所得に対しては課税される。
課税所得=年間総所得―所得控除
* 年間総所得:家賃補助、会社負担の税金、日本払いの給与等も含まれる。
* 所得控除:本人控除、配偶者控除、子供控除、教育費控除、社会保険料控除等。所得税は純年間所得に従って、0%~37%までの累進課税となって
おり、その税率は次の通り。
① 0~100,000 バーツ・・・免税(2004年以降)
② 100,000 超~500,000 バーツ・・・10%
③ 500,000 超~1,000,000 バーツ・・・20%
④ 1,000,000 超~4,000,000 バーツ・・・30%
⑤ 4,000,000 超~・・・37%
個人所得税の課税年度は、暦年(1 月1 日より12 月31 日)であり、毎年の確
定申告を翌年の3 月までに、各個人が行うことになっている。
タイにも日本と同様に給与所得に対する個人所得税に関して源泉徴収制度がある。すなわち、法人は従業員に給与を支払う場合、所定の税金を天引きして支払う義務がある。
毎月の給料に対する源泉徴収税額は、所定の方法で年間の予想所得を計算し、それに対する個人所得税を算定し、その税額を給料の支払回数で割り返すことによって計算する。
給与の支払者である法人は、給与の支払が生じた月の翌月7 日までに所定のフォームで申告・納税を行わなければならない。
また、この源泉徴収義務に関して以下の書類を作成し提出しなければならない。
① 課税年度(暦年)終了後、翌年の2 月15 日までに、各従業員に対して源泉徴収証明書を発行する。(各個人は、この証明書を確定申告書に添付する。)
② 翌年2 月末までに、所定フォーム(各従業員の年間の所得金額とそれに対して源泉徴収した所得税額を記載するもの)を管轄の税務署に提出する。
所得税控除は、年額にして次のように認められる。
給与所得控除は、総額の40%または60,000 バーツいずれか低い方を適用。そのほか、以下のような控除がある。
① 納税者本人:30,000 バーツ
② 配偶者:30,000 バーツ
③ 子ども:15,000バーツ(一人につき。最高3 人まで。25 歳以下で未就労の場合のみ)。
④ 教育費:20,000 バーツ(一人につき。最高3 人まで。25 歳以下でタイ所在の教育機関在籍の場合のみ)
⑤ 納税者夫婦の住宅購入、割賦購入、建築のための融資の利子支払い:最高50,000バーツ
⑥ 納税者夫婦の社会福祉基金への拠出:最高10,000 バーツ
(2) 付加価値税
付加価値税(VAT)の制度は1992 年から導入されている。アジア通貨・経済危機から、景気の刺激を目的に1999 年4 月1 日から2001 年3 月31 日までの2 年間に限り、税率が10%から7%に引き下げられた。しかし、景気回復をより確実にするため、数次にわたって(2000 年6 月、2001 年5 月、2002 年8 月、2003 年9 月、2005年8月)、減税期間の延長が閣議決定されている。
タイのVAT は会社が負担する税金ではないが(負担者は最終消費者)、会社に納税義務が課されている。会社は、VAT登録者として、毎月月末締めで集計し翌月の15日までに申告納
税しなければならない。VAT の証拠となる“タックスインボイス”に関しては厳格な規定が設けられている。
① VAT の課税対象
VAT は原則としてタイ国内における以下の取引が課税対象となる。
・ すべての物品販売
・ すべてのサービスの提供
・ すべての輸入
② ゼロ税率
製品の輸出および一定の要件を満たす外国へのサービス提供についてはVATのゼロ税率が通常適用される。
③ 課税義務
以下の時点で納税義務が生じる。
ⅰ) タイ国内の物品販売-基本的に所有権の移転、商品価格に対する支払の領収、タックスインボイスの発行に対して
ⅱ) 物品の輸入-基本的に物品が輸入関税がかからない場合を除いて、輸入関税の支払、安全保障の備付などに対して
ⅲ) サービスの提供-原則としてサービスの対価を受領した時点
④ VAT 納税額の計算
VAT納税義務者は基本的には毎月の売上VAT(アウトプットVAT)から仕入VAT(インプットVAT)をひいた額に相当するVATを支払う。
納税額=(売上に対するVAT*1)-(②購買に対するVAT*2)
ただし、もし仕入VAT が売上VAT を超過する場合には、その超過分を翌月以降に繰り越すか、または還付請求を行う。会社立ち上げ時で売上がない場合、輸出が多い企業がこのような状況になる。
しかし、還付に際しては原則として必ず税務調査が行われる。VAT に関する税務調査は主にタックスインボイスにつき行われる。また、還付申請する企業が多く、税務調査が遅れ気味で、還付の遅延が問題となっている。(対策として優良輸出企業認定制度の活用)
⑤ VAT の申告と納税
タイのVAT の申告は、毎月の売上VAT と仕入VAT を月末締めで集計し、翌月の15日までに申告し、同時に納税する。またサービスの輸入(例えば日本本社へのロイヤリティーの支払)等がある場合には、その支払者が所定の申告書を用いて翌月の7 日までに申告・納税しなければならない。
⑥VATの登記
新会社の場合、その会社が事業を開始する前に管轄の税務署で納税者登記を行っておく必要がある。この納税者登記をしていないと、仕入VATを売上VATからの控除や還付請求に用いることができないので注意が必要である。
(3) 特定事業税(SPECIFIC BUSINESS TAX)
特定事業税は以下の業務に課される。
・ 商業銀行業務 3.0%
・ ファイナンス・証券業務 3.0%
・ 生命保険業務 2.5%
・ 質業 2.5%
・ 商業銀行類似業務 3.0%
・ 不動産販売 3.0%
・ 有価証券 0.1%
主に金融機関、証券業、保険業に対して課される税金であるが、一般企業でも土地の譲渡を行った場合、貸付金金利を受領した場合にはこの税金を課される。
所定のフォームを用いて以下の額を原則として翌月の15 日までに申告・納税。
特定事業税=各月の総収入×所定の税率
(4) 海外送金に対する源泉徴収
タイの居住者が非居住者に対して以下の項目につき送金する場合、源泉徴収が要求され、支払日の属する月の7 日までに所定の申告書とともに納付する必要がある。ただし、物品の購入、ある種の事業経費、ローンの元金、資本投資に対する利益は、送金税の対象とはならない。
・ 配当・・・・・10%
・ 支店利益送金・・・・・10%
・ 利子・・・・・15%(ただし金融機関に対する利子の支払の場合、多くの租税条約で10%に軽減されている)
・ ロイヤリティー・・・・・15%
(5)二国間租税条約
タイは日本と二重課税の回避、脱税の防止のために、日・タイ租税条約を締結している。これは国内法に優先し、法人税所得、個人所得税が対象となる。ここでは事業所得に対する課税に関し、日本企業がタイに恒久的施設を有さなければ、タイの所得税は課されない。また二重課税排除の目的で、以下の通りの制度をとっている。
① 直接外国控除制度・・・タイにおいて課税された税額は日本において納付
すべき法人税額から控除される。
② 間接税額控除制度・・・日本企業がタイに子会社を有している場合、子会
社から配当を取得する際は、子会社が納付したタイ税額のうち、配当に対
しても外国税額控除が認められる。
③ みなし外国税額控除制度・・・投資奨励法の規定により免除された所得税
額、配当に対する税率の軽減は、日本においてみなし外国税額控除するこ
とが認められている。
これら二重課税防止措置では、一般に歳入法の規定に比べ、タイ国内の収入について納税者の立場をさらに有利にするもの。
(6) 特別税
a.印紙税(STAMP DUTY)
歳入法に掲げられた印紙税率表に含まれる課税文書(不動産賃貸契約書、株券、債務証書、請負契約書、金銭賃借契約書、委任状等)に対して課税され、税率は取引や文書の性質により異なる。多くは販売者側、サービス提供側が負担。納税は課税文書に印紙を貼り付け、消印または所定の方法で印紙税を支払うことで行う。
b.物品税(EXCISE TAX)
物品税は商品およびサービスに対して課税される。この課税対象には、石油製品、タバコ、アルコール飲料/酒類、ソフトドリンク/清涼飲料、果汁飲料、ランプの傘、香料、空調機器、クリスタル製品、定員10 名以下の乗用車両、ナイトクラブ、ディスコの売り上げ、浴場(入浴またはサウナ)及びマッサージ施設の売り上げ、競馬場での勝ち馬投票収入、宝くじ、ゴルフ場サービス利用料及び会員料、通信事業における固定電話事業及び移動電話もしくはセルラー方式無線通信電話の、国内外電話サービス売り上げ、等が含まれる。
c.土地家屋税(LAND AND BUILDING TAX)・地域開発税(LAND DEVELOPMENT TAX)土地・家屋の所有者が指定地域にいる場合、毎年、地域開発税法あるいは建物土地税法のいずれかの規定に基づいて課税される。前者の税率は0.25%~0.95%の範囲であり、土地評価額によって変動する。ただし所有者が自分で住むための土地、畜産用の土地、耕作用の土地は対象外。建物土地税法で課税される場合、毎年、想定賃貸料相当額の12.5%。
免税となるのは、所有者の住んでいる住宅のみ。
d.看板税(SIGNBOARD TAX)
課税対象は収益事業目的で使用される会社名、商号、商標等が書かれた看板である。税率はタイ語のみの看板<タイ語と外国語の看板<外国語のみの看板の順に高くなる
銀行口座開設
旅行者の銀行口座開設は2000年10月1日より認可。ただし状況により提出書類の種類が変わるので、その都度、確認が必要である。
賃貸情報・不動産情報
タイでは特例措置を除いて、外国人や外国企業名義での土地取得と登記は認められていない。 コンドミニアムなどユニット物件の取得登記は可能。
税制~不動産情報についてロングステイ財団研修資料一部抜粋

